福岡高等裁判所 昭和29年(ラ)49号 決定
本件申立理由の要旨は、申立人会社は昭和二十九年一月八日佐賀地方裁判所に会社更生手続開始の申立をなしたところ、同裁判所が同年五月六日これが申立棄却の決定(同庁昭和二十九年(ミ)第一号)をなしたので、更に同月十日当庁に即時抗告をなしたけれども、これ亦同年七月二十日抗告棄却の決定(同庁昭和二十九年(ラ)第四九号)があつた。そこで申立人会社は同年八月十二日右抗告棄却の決定に対し特別抗告の申立をなしたが、一方佐賀地方裁判所に申立人吉永広一から申立人会社を被申立人とする破産宣告申立事件(同庁昭和二十九年(フ)第六号)が係属しているので、会社更生法第三十七条により右破産手続の中止命令を求めるため本件申立に及んだというにある。
よつて按ずるに会社更生法第五十条第二項は、更生手続開始申立棄却の決定に対し即時抗告の申立があつた場合には、同法第三十七条の規定を準用し、裁判所は必要があると認めるときは該抗告の申立につき決定があるまでの間破産手続その他の手続の中止を命ずることができる旨を規定しているにかかわらず、抗告裁判所の即時抗告棄却の決定に対し更に特別抗告(民事訴訟法第四百十九条の二の規定による抗告)の申立があつた場合については、なお同法第三十七条の規定を準用する規定は存しないし又特別抗告は即時抗告とはその性質を異にするから、この場合に右第五十条第二項の規定を拡張解釈して第三十七条の規定の準用ありとするのも妥当ではないと解するので、結局申立人の本件申立は不適法としてこれを却下するの外はない。
よつて主文のとおり決定する。
(裁判官 野田三夫 中村平四郎 天野清治)